とらちゃんとサル。 バカ夫婦歴22年。 何年経っても仲良しで冒険好きな夫婦です。 そんな人生の旅の途中。 出会いや別れの中で気付いたこと、思ったことなどを綴っています。
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先日、シロは天国へと旅立った。
それはそれは安らかな最期だった。
私達が選んだのは「安楽死」
まさか、自分がそんなことを経験するとは夢にも思わなかった。
愛するシロと 自分の意思でお別れするなんて。
当日の私はさすがに落ち着かなくて
緊張や不安、寂しさなどが ぐるぐる回っていた。
シロにも緊張が伝わっていたのか 息が苦しかったのか
なかなか眠れず、落ち着かない様子だった。
最後に食べさせてあげようとサルが買って来てくれたシニアフードの缶詰。
でもシロはまったく興味を示さず 食べない。
食欲がないのだろうか?
ジャーキーをあげる → 食べる
ジャーキーをもう一本 → 食べる
缶詰を手にとってあげる →食べた・・・と思ったらペっと吐き出す
ビスケットをあげる →食べる
もう一度缶詰を・・・ →ペっと吐き出す(笑)
どうやら「シニアフード」が気に入らなかったようだ。
「柔らかいものなんか食えるか!」ってことなのかな。
何だか最後にシロらしさを見せてくれて嬉しい気持ちになった。
急遽 用意した さんまご飯を食べるシロを見て
「夕食はお肉にしよう」 そう心に決めた。
最期の日は不思議なくらい 私に迷惑をかけない日だった。
いつも、部屋でくしゃみをし その刺激でオシッコやウンチをする。
それが、この日は違った。
まず「外に出して」とドアをカチャカチャ。
ドアを開けて わずかに見えるシロの右目に手でサインを出す。
サインを見て恐る恐る外に出るシロ。
そしてしばらくして グシュシュシュシュ~~~!!!とくしゃみ。
頭を左右にはげしく振り 血を撒き散らす。
必死で足を広げ、こけないように踏ん張る。
そのまま庭でオシッコ。
えらいえらい!!こんなこと珍しい!
夕方もそうだった。
一緒に外に出て 庭から私がシロを呼ぶ。
最近は呼んでも来ない。認識ができないようだった。
この日も最初はそうだったが でも違った。
「シロ・・・!最後のオシッコなんだよ。 かっこよく決めてみようよ」
「シロ・・・!頑張ってみようよ」
「とらちゃんにカッコイイとこ見せて!!」
そう呼びかけてみた。
すると、すこし考えたシロは サルが作ってくれた長いスロープをトコトコ降り始めた。
「そうそう!シロ!えらいえらい!!」
私は必死に応援した。
最後まで降りきったシロは そのまま庭でかっこよく片足を上げてオシッコをした。
ここ最近は、足をあげるのもままならなかったのに。
「シロ!!!すごいすごい!!えらいね~!!!」
涙目で嬉しそうに私が叫ぶと
これまた珍しく 耳を少し後ろにし ゆっくりと尻尾を振って撫でてもらいにきた。
「どう?僕、最後までいい子だったでしょ?」
そんなシロの声が聞こえてくるような気がした。
こんなシロは久しぶりだった。
本当に言葉が伝わっていたのだろうか。
きっとそうだ。
13年、シロとは何度も心を通わせた。
私の気持ちをいつもわかっていてくれたシロだから。
ありがとう、シロ。
さすがだよ。シロ。
『こんなシロならもっとずっと一緒にいられるかもしれない・・・』
そんな気持ちがよぎらなかったと言えば嘘になる。
でもどこかでわかっていた。
シロは最後に、格好いいところを私に見せたかったのだ。
シロもお別れがそこまで来ていることを
きっとわかっていたのだと思う。
そして最後の夕食・・・・・
【長くなったので続きは次回に・・・】
とら
シロとお別れをすることが決まった。
自然に最後まで命を全うさせてあげたかったけど
考えてみたら、飼い犬の時点で「自然ではない」のだ。
もし、シロが大自然で生きていたとしたら
膿を拭いてくれる人はいない。
見えなくなった目で餌を探すこともできず
どこかで身を潜めてじっとしているだろう。
お腹が空いても餌をくれる飼い主はなく
空腹に耐えながら、やがて命尽きていたと思う。
飼い犬だったから薬やサプリで抵抗力をつけ
飼い犬だったから、餌をもらいここまで生きた。
膿を拭いてもらい、かろうじて見えることができた。
だからこその苦しみもあるのかもしれなかった。
飼い犬だからこその。
そういう意味ではシロの寿命は本当は過ぎていて
シロの命は違う命として
生まれ変わりたいのかもしれない。
生まれ変わりを信じているわけじゃないけど
もしかして、そうだとしたら
逆に不自然なことをしていることになる。
物事はひとつの方向から見えていることがすべてじゃない。
まぁそうやって今の気持ちを正当化したいだけなのかもしれないけど・・・・・
正直複雑な想いがいっぱいある。
だけど、11月に入ってからのシロは
「幸せ」な瞬間はおそらくない。
苦しそうにするシロに
「もうちょっとで楽にしてあげるからね」と語りかける。
ようやく
「大丈夫?」
以外の言葉をかけてあげられた。
大丈夫なわけないシロに 言ってあげられる言葉。
愛情のかけかたはそれぞれだけど
この選択は私とサルからの最後の愛情だ。
いつかは待っている痙攣発作から守ってやる。
まったく見えない光のない世界から守ってやる。
毎日の痛みと苦しみから守ってやる。
そんな守り方もありだよね。
シロは病気がわかってから9ヶ月も嬉しそうに走っていた。
キラキラして、おやつをもらって、大好きなことをしていた。
そして、病気がわかってから 一年近く 大好きな散歩に行って
好きな女の子に尻尾を振っていた。
そして、最後まで強く、わけがわからなくなりながらも
今までのことを忠実に守ろうとし、誇り高く我慢強い。
何よりも、シロはどれほどの愛をくれただろう。
シロがいてくれたおかげで
どれほどの笑顔を与えてくれただろう。
そして、シロの存在のおかげで今の私達がある。
ありがとう。シロ。
ありがとう。
あと少しの命に精一杯の愛を・・・・
少しでも届きますように。
とら
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