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バカ夫婦。

とらちゃんとサル。 バカ夫婦歴22年。 何年経っても仲良しで冒険好きな夫婦です。 そんな人生の旅の途中。 出会いや別れの中で気付いたこと、思ったことなどを綴っています。

   
カテゴリー「鼻腔内腫瘍(犬)」の記事一覧

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闘病生活を終えて・・

鼻腔内腫瘍といっても 進行の仕方はそれぞれだと思う。


すぐに発作が起こってしまう場合もあるし
その発作も 繰り返したり 長引いたりと いろいろらしい。

外に外に腫瘍が大きくなり顔が変形してしまい、ジワジワと苦しみが長引く場合もある。

顔の変形も 腫瘍がどこに向かって大きくなるか?で
全然違ってくるのだと思う。

シロの場合は目が塞がってしまったことが致命的だった。




いつ起こるかわからない発作を毎日心配し
日に日に悪くなる愛犬を看病し続けるというのは
思ってた以上に苦しかった。



シロの嬉しそうな顔を見られなくなってからの数ヶ月は
毎日が葛藤で 毎日が先の見えないトンネルのようだった。




だけど、シロの病気のおかげで
「命」について 「生きるということ」について 真剣に考え 向き合うことができた。

健康の有難さ、大切さが身にしみたし

シロへの愛や
シロからの愛を 精一杯感じることができた。



どんなにひどい顔になっても 愛しいと思えたし
だからこそ、苦しむ愛しい存在を 苦痛から助けたいと思った。


安楽死という悲しい決断をしなきゃいけなかったこと
本当に苦しかったけど

今はあれで良かったと心から思える。



あのまま続けていれば
完全に失明し、私達のことも全くわからず
痛みと苦痛と暗闇と孤独が待っていたと思う。


そして いつ来るのかわからない発作に今も毎日怯えていたと思う。

もしくは、もう発作が来ていて 「どうして楽にしてあげなかったのか」って
後悔しているかもしれないし・・・

まぁ そこは知るすべもないことだけど。





たくさんのワンちゃんと飼い主さんが
この病気で苦しんでいるんだと


そのこともシロの病気で知ることができた。




「かけがえのない存在」があることも

「今自分が生きている事実」も

シロを通して感じることができた。




闘病生活の中で
答えのない日々だったけど


私とサルなりに
シロの気持ちを必死に感じてきた。





今思うのは

「シロは私達を信じてくれていた」ってこと。


『きっとボクのいいようにしてくれる』って
信じていたんだと思う。


それこそ絶対的な信頼・・・



私達もダメダメなりに頑張ったよ・・・シロ。

シロのためにいっぱいいっぱい考えたよ。

この一年ちょっとの闘病生活。


シロが信じてくれたことに
応えられてたらと願う。






長く書いてきたシロの物語も
一応これで終わり。


でも、シロは私達にとって運命を変えるくらい大きな存在だったから
きっと ブログのあちこちで登場すると思う。



だから、シロ、これからもいっぱい思い出すからよろしくね。

masa1.gif
 




【最後に・・】

一年以上もシロを応援して下さり 
ブログを読んで下さった方や
コメント等を下さった方・・・!
大変感謝しております。

シロと同じ病気を抱えたワンちゃんもたくさんいらっしゃると思います。

悩んだり、苦しんだりされている飼い主様もいらっしゃると思います。

シロと同じ状態になるとは限りませんが、
ひとつの闘病生活の例として

参考になれば幸いです。

最後にシロの闘病生活末期の画像を載せておきます。

こちらは、刺激の強い画像になっておりますので、
心の準備をされてからご覧下さい。

本当は私もシロのこんな姿を公開したくなかったのですが、
まだまだデータの少ない鼻腔内腫瘍の一つの症例として
お役に立てられたら幸いです。

以下 ↓ 【シロの最後の戦い】の画像になります。

http://pluslife.sessya.net/simpleVC_20101206160813.html


とら

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シロのあしあと(余命宣告後)

まさか、シロが癌になるなんて。

まさか、後少ししか生きられないなんて。

そう先生から聞いて

いろんな葛藤の中
出来る限りシロが喜ぶことをしてきたつもり。

200803072030001.gif
















シロは幸せだったかな。


きっと 幸せだったよね。


だからこんな顔
いっぱい見せてくれたんだと思う。


200808251408000.gif



おじいちゃんになっても
赤ちゃんみたいだったシロの寝顔。


愛しくて愛しくて
触りたくて

よく起こしちゃったね。

ウザそうにしながらも
私に付き合ってくれた。



シロの匂い。
大好きだった。




PAP_0016.gif










休みになるとドライブが日課だった。

いっぱいいっぱい出かけたね。


力いっぱい走ってくるシロは
本当に嬉しそうで
キラキラしてた。







PAP_0025.gif












どんな匂いを感じてたんだろう。


PAP_0042.gif























余命をはるかに超えて
一緒に過ごせた日々を 忘れない。


毎日の散歩の一歩一歩を 忘れない。


もみじも 雪の日も 桜も 
夏の暑い日も

毎日一緒に歩いたね。


PAP_0059.gif
























この頃までは

病気だなんて
全然感じさせずに


いつもの調子で


表情豊かなシロだった。



シロ、お前のおかげでどれだけ家の中に笑顔があっただろう。




何度も何度も思う。




『ありがとう』


『よく頑張ったね』






『 ウン。 ボク ガンバッタヨ 』

シロの声が聴こえる気がする。




【闘病生活でもキラキラのシロ】

とら

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シロのあしあと(成犬の頃)

あんなに小さかったシロは 見る見るうちに大人になった。

太陽でキラキラ光る白い毛。

いっつもいっつも「綺麗な犬だね」って言われてたね。

shiro.gif
























車が苦手だったシロに

サルと二人毎日訓練をして

いつしかドライブが大好きになった。

そうしていろんなところに出かけられたね。

DSCF0010.gif

























引っ越しも何度もしたね。


シロがいてくれたからどこに行っても寂しくなかった。

uwame2.gif













いろんな表情を見せてくれたね。


嬉しそうなシロ
ふてくされたシロ
少し甘えた顔・・・

どんなシロも忘れない。


DSCF0008.gif

















いつも私を守ってくれていた。


強くて優しいシロ。

今思い出すのはこの頃のシロ。


「待て」も「フセ」もすぐに覚えて
言葉だって何でも理解して

本当にいつも通じ合っていたと思っているよ。


DSCF0016.gif























いつ頃から癌になっていたんだろう。

いつも元気なシロだから
なかなか気付いてあげられなかった。

今頃は大好きな遊びを思いっきり出来てるといいな。





【成犬のころのシロ】


とら

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シロのあしあと(子犬の頃)

13年前の冬 シロが我が家にやってきた。

真っ白いぬいぐるみみたいで
ちっちゃくて
ムクムクだった。
ma.gif



























赤ちゃんのシロは それこそムートンみたいで
一日中寝ていたっけ。

koma.gif















何にでも興味があって
何でもすぐに覚えて

友達からの人気者だったシロ。

この頃から気が強かったね。

koma2.gif


























片耳が立ってきて凛々しくなってきたね。

一番やんちゃな頃だったけど
悪いことはしないエライ子だったな。


mas.gif













毎日毎日成長したね。

この頃はまだカメラ目線のシロ。

庭で走り回っていたね。

真っ直ぐに揃えられない手が愛しい・・

siro2.gif

















【シロ、子犬の頃・・・】


とら
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ありがとう 愛してる。

※続き


それからの2、3日は
「心にポッカリと穴があいた」
状態だった。



心の奥がスースースースー
シクシクシクシク
どこかで痛む。

 

1週間経っても 10日経っても
シロの布団も食器も なかなか片付けられずにいた。


シロの寝床にシロを探してしまう自分がいた。

 


何だか誰にも会いたくないし
誰にもシロのことを話せずにいた。



シロを思い出すと びっくりするほどの涙・涙・・・
 


でも・・・
一日一日と少しずつだけど心が癒えていく・・


そう感じるたび


いつかこの気持ちも穏やかなものになるのだと
少し 安心した。

 

 


今はシロが一番シロらしい写真をいっぱい飾って

時々は泣いてしまいながらも

シロが安心して天国に行けるように話しかけている。

 

 

自分達が下した決断が正しかったのかどうか
それは一生わからない。


シロがそれで良かったと思ってくれたか
それも一生わからない。

 


だけど、寒く冷える朝を迎えるたび
シロがあれ以上苦痛を味わうことがないのだと
感謝をしている。

 


もちろん
時々罪悪感は出てくる。

 

だけど、きっと病気になった以上
後悔のない別れ方はなかったのではないかと思う。


 

言葉の話せない犬との闘病生活は
本当に葛藤の連続だった。

 

 

今になって ただひとつ、後悔をするならば

シロが「病気にならないように」
もっとできることがあったんじゃないかってこと。


それだけが悔やまれる。

 


願わくば
健康でキラキラした
嬉しそうなシロと

いつまでも一緒にいたかった・・・。

 


今でも無性に触りたくて
撫でたくて
会いたくて
仕方がないときがある。



フワフワの白い毛。
真っ黒な瞳。
太い首。



全部全部大好きだった。


 

いつまでも愛している。
本当に愛している。

シロは私達の宝物だ。永遠に。



 

今頃は天国でいっぱい走り回ってるかな。

他の犬とはうまくやってるかな。

シロは賢いから
すぐに今の状況に慣れるよね。




もう目も見えるし
匂いもわかるよね。

思いっきり遊ぶこともできる。

その姿をまた夢で見せてよね。



シロ・・・
長い間頑張ってくれてありがとう。


私達と家族になってくれてありがとう。


たくさんの愛をありがとう。


どうかこの思い、シロに届きますように・・・!!

 


↓「犬のうた~ありがとう~」です。
 ※動画をお借りしました。(piping440様ありがとうございます。)

http://www.youtube.com/watch?v=73QyGC_XZ9E


☆長い間シロを応援して下さった皆様
 どうもありがとうございました・・!!

 後日シロの写真をアップする予定ですので
 またお立ち寄り頂ければ幸いです。


とら
 


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救い

※続き


車が家に着いた。
 

いつもなら一目散に玄関の鍵を開けてシロを安心させていた。


 

あの時、玄関の鍵を開けた瞬間を
私は一生忘れないと思う。



13年間 毎日待っていてくれたシロの姿がそこになかった。


病気でほとんど目が見えなくてもいつもそこでシロは待っていた。


きっと、一番に私達に会える場所だったからだと思う。


 


シロのいない玄関で
私達は大声をあげて泣いた。


嗚咽・・というのだろうか
私は大人になってあんなに泣いたことはなかった。




わかっていた
余命2、3ヶ月と言われ
覚悟をしていた。



それより十分長く生きて
貰った命だと思っていた。



何よりも、自分達の意思で
シロの命を終わりにした。



そんなことはすべてわかっていた。



あのまま決断をしなかったらシロも私達も
もっともっと苦しんでいたことも・・・


 

すべてわかっていて すべて納得していて


でもそんな気持ちとは別のところにある。


 

「シロ・・・・!!!!」


存在していただけで
こんなにも私達を支えてくれていたと思い知らされる。




「覚悟」とは別のところに「寂しい」や「愛しい」があることを知った。


 

シロを飼ったときから

たとえ病気にならなくても

私達より先にシロが逝ってしまうことはわかっていた。



でも。
13年というのはあまりにも長かった。





『かけがえのないもの』
というのがあるのだと 




『かけがえのないもの』
とはこういうことなのだと



初めて知った。



 

その夜はなかなか眠れず
サルと二人シロの話ばかりしていた。


あまりの寂しさに
自分達の決断が本当に良かったのかと思い始めた。



シロはまだ生きたかったかもしれない・・・・・


私達の勝手でシロの命を奪ってしまったのか・・・?

(事実そうなのだけど)




心が潰れそうだった。




「シロに会いたい・・・・」
 

思わず最近撮ったシロの動画を観た。

 

そこには パンパンに腫れた顔で 苦しそうな息をしているシロがいた。


改めて見ると なんてひどい姿なんだろう・・・



目は塞がり、意識は朦朧としている。

ひいたばかりの毛布は血だらけだ。




「良かった・・・終わりにしてやれて」
そう二人で呟いた。



そうだ。
シロは大好きなこと 何一つできなくなっていたんだった。


散歩も
ドライブも
紐で遊ぶことも
骨ガムを埋めることも
匂いを嗅ぐことも
おやつを食べることも
お腹を撫でてもらうことも
鼻をこすってもらうことも
嬉しさを表現することも
走ることも
歩くことさえ・・・


シロはただ
残された口呼吸で
痛みに耐え 暗闇に怯え
生きていた。


そうだったんだ。

そうだったんだよね。シロ・・
 



動画を観て 少し心が楽になった。
 

病気で苦しむシロを撮るのは辛かったけど
それでも頑張って生きているシロを残しておこうと思って
最後の数日に撮った動画だった。
 

その映像に救われた。


撮っておいて良かったと
いや、もっと撮っておけばよかったと
そう思った。



【もう少しだけ 続く】

 

とら


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糸が切れたとき

※前回の続き・・・



シロは私達と一緒に 何度も引っ越しをしたから
「私達」が「我が家」だったと思う。



だから、きっと
私達のいるところで シロは安心して旅立ったと思う。

 



 

先生達がシロを綺麗にしてくれるというので
もうしばらくシロを待った。

 

病院はもう閉まっていて 私達だけになった。
 

それでよかった。

静かな時間がよかった。

 

 


シロが大きな箱に入れられて出てきた。


中には綺麗にシャンプーされて石鹸の匂いのするシロが寝ていた。


 


まるで元気な頃のような真っ白で綺麗な毛並み。


しっかりとした顔立ち。


シロらしい凛々しい寝姿に感動して涙が溢れた。

 


 

こんなに綺麗にしてもらって 花まで飾ってもらって

シロ良かったね。そう思った。

 




会計を済まして車に乗り込む。
思ったより安く2万程だった。

 

「自宅で亡くなっていたら こんなに綺麗じゃなかったね。」


さっきまでの血だらけのシロを思い出した。


 

 

先生達が玄関先で深々と頭を下げてくれていた。

遅くまで、シロのためにありがとうございました・・・・

 



 

「さぁお家に帰ろう」

ゆっくりと車は家路に向かった。




シロの亡骸は家に帰っても温かく
やっぱりまだ眠っているだけのように感じた。



とてもとても長い一日が終わった。

なんだか夢でも見ているような気分だった。



 

いつまでもシロを撫でていたかったけれど

いつものようにシロにおやすみを言って 眠った。


 

翌朝 起きると真っ先にシロに会いに行った。

 

シロは冷たくなっていたけれど
昨夜のまま綺麗だった。




さぁ・・・シロの身体ともお別れだ。

 

二人でシロを車に乗せてお寺へと向かった。

 

 

シロの葬儀が終わり シロは大自然に返った。


気が張っていたのか、比較的泣かずにいられた。



 


でも、ダメだった。

帰りの車で糸が切れたように溢れる涙で 頭が痛くなる。

 


いつも「シロが家で待っているから」と 慌てて家に帰っていた。


だけど もう家にはシロはいない。

 

そのことが寂しくて 寂しくて
ただ、寂しくて 寂しくて・・・・


寂しいってこんなに苦しいことだったんだ。



こんな寂しさを初めて味わったと思った。


 

家に帰るのが怖かった。
シロがいない玄関が怖かった。


だけどシロが待っている気がして
早く帰ってあげなきゃいけない気がして


そんな相反する気持ちで気が狂いそうだった。




誰も待っていなくても・・・・


とにかく思った。




「家に帰りたい・・・・・」




もしかして、シロの魂は待っているかもしれない。

 

眠っただけのシロだから
きっとそうに違いないと思った。




腫れた目をした二人が ようやく家に着いた。




【まだ少し続く】


とら
 


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最期の瞬間

※前回の続き


先生に会うと まず聞かれたのは


「お別れをして、最期の瞬間を先生達に任せるか
それとも、最期の瞬間に立ち会うか?」

ということだった。

 


「立ち会いたいです・・・」
そう答えた。


シロを一人ぼっちで逝かせるわけにはいかなかった。
最後まで目をしっかり開けなければと思った。

 


思えば、シロが先生に会ったのは1年前の検査の日。
それから1年後に 次はシロの最期の処置をするなんて 先生も複雑だったかもしれない。



先生はずっとシロを病院に連れてこなくてもいい方法をとってくれた。
それは本当に私達にとって有難かった。


先生は多くの鼻腔内腫瘍のワンちゃんを診てきてた人だったし
癌などの難しい病気に対応できる大きな病院だった。


遠くから診察に来る患者さんも多く、
そんな病院が近くにあったことに改めて感謝をした。

 


 

「準備をしますので、しばらくお待ち下さい」
そう言われて別室に私達は入った。


 

シロのケージが運ばれていく・・。


 

半眠りのシロに声をかけ、先生達に預けた。

 



どれほどの時間が経っただろうか?

15分だったかもしれないし、30分だったかもしれない。

 


とても重く、長い時間だった。


シロは大丈夫だろうか・・・・??
目が覚めて、怖がってないだろうか??




サルと私は、ほとんど無言のまま待った。



 

ようやくシロが私達の元に帰って来た。


半眠りのままのシロは、暴れることもなく怖がっている風でもなかった。




ゆっくりと毛布の上に寝かせてもらうシロ。

私達の足元で、いつものようにシロがいる。

 

 

「シロ・・・・!!!」


 

頭を撫でる。


私達の手を覚えているはずのシロを少しでも安心させてあげたい・・・


頭を撫でる。


ありったけの愛が届くように・・・・


頭を撫でる。


シロの命を感じるために・・・


 

この時、サルと私が何を語りかけていたのか ほとんど覚えていない。

涙と鼻水に邪魔をされないように必死でシロを見ていた。



そして手にすべての神経を集め、シロを感じていた。





少し落ち着いたころ 先生から

「まず、意識がなくなって、その後心臓が止まります」

そう説明を受けた。


 

ブゥブゥと苦しそうに口で息をするシロ。


ようやく楽にしてやれる・・・



 

「では、シロちゃんに声をかけてあげてください」

先生は言った。



ずっと声をかけていた私達だったけど

改めて これが最後になるんだと思った。




最後に何を・・・・???



「シロ・・・・ありがとう」

もう言葉が出てこない・・・



「シロ・・・・・・ごめんね・・」

小さく出た一言。



ごめんね、ずっと元気に生涯を全うさせてやれなくて・・・・

ごめんね、こんなになるまで苦しませて

ごめんね・・・ずっと一緒にいられなくて・・・





ずっと「ごめんね」なんて言いたくなかった。

でも、やっぱりごめんね。シロ。





ブゥブゥと苦しそうなシロの息がス~~っと楽になる。


うっすらと開いていた目が最後にサルを捉えて そして目を閉じた。



スゥスゥとゆっくりとした呼吸だけが聞こえる。



まるで、ただ眠ったように。
深く深く眠ったように。



そして、プク・・プク・・・と呼吸をしていたお腹の動きがゆっくりと止まる。




シロの命が終わった瞬間だった。




あまりにも安らかで、あまりにも穏やかで
本当にシロの命が終わったのだろうかと思った。



シロはまだ暖かい。

もしかして目を覚ますんじゃないか??


そう思うほどだった。





先生は時間を読み上げた。

シロの死が現実になった。




【もう少し続く】


とら

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優しい時間

※前回の続き・・・



つくづくシロは抱っこが嫌いなんだな と改めて思った。

 

抱っこも嫌いだけど
お風呂も嫌い。(水が苦手)
耳掃除も爪切りも嫌い ブラッシングはまぁまぁかな。


 

ほとんどの犬とは相性が悪くて
小さな子供も苦手。
 

トラックやバスも嫌いで
かみなりや花火も嫌い。
 

引っ張られるのも嫌い。
カメラも嫌い。

1人でいるのも嫌い。
外で寝るのも嫌い。


 

でも。

私達の嫌がることは絶対しない。

 

従順で一途で頑固だった。



ルールに従い自分で動く。
それがシロのスタイルだった。



そんなシロを大好きだったけど
この時は本当にまいった。

 


もちろん元気なときは、嫌なことでもしぶしぶ我慢していた。

飼い主の命令は絶対だったのだろう。


ただ、お風呂だけは そそくさと逃げていたけど・・・・(笑)

 


 


抱っこができなければケージに入れるしかない・・・

でも、自分で入ってもらうしかないのだ。



呼びはきかない。
認識もできない。

おまけに意識も朦朧としている・・・

 


でも・・・そこはやっぱりシロだった。
 

私達の呼びかけに気付いたのかそれとも無意識か・・

ヨロヨロっと一瞬だけ立ち上がり

うまく用意したケージに入ることができた。


 

シロはケージに入って 飛行機に乗ったこともある。
本当は嫌だろう狭いケージだけど
いつも嫌がらず賢く入ってくれた。



 

この時もそうだった。



ケージに入り、その狭さでかえって安心したのか
スゥスゥと眠り始めた。




そしてこれが、シロが歩いた最後だった。



 

シロの大好きな車にケージを載せた。


車の音の中で眠っているシロ。

大好きなドライブの夢を見ているといいな。



 

私とサルはできるだけ楽しそうな声を出して

「シロ、今から山に行こうね!」
「いっぱいいっぱい走ろうね・・・・・!」

そんな言葉をかけていたと思う。


 

シロの寝息を聞きながら車は病院へと向かった。



スヤスヤと眠っているシロ。
怖がってないシロ。


それだけでも救われた。



これから起こることを考えると
私もサルも精神的にフラフラだったと思う。



そんな気持ちをシロに悟られなくて良かった。


「いつもと違うこと」に敏感なシロだから
眠っていなかったらどうなっていただろうと思った。



鼻が詰まって眠れないシロのために貰った睡眠薬が
こんな風に最後のときを優しくしてくれた。


この方法をとって良かった・・・・!!

そう思いながら 3人での最後のドライブを噛み締めていた。





そして、車は病院に着いた。



【またまた続く】


とら
 


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シロ、自宅で眠りにつく

※前回の続き・・



お肉を食べてテンションが上がったままのシロは
帰ってきたサルにゆっくり尻尾を振った。

耳も嬉しそうに後ろに寝ていて こんな出迎えはサルも久しぶりだっただろう。

 


病院に連れて行く時間を逆算すると すぐに睡眠薬を飲ませないといけなかった。

 

サルはきっと、名残惜しいだろうなと思いつつ
時間が経ったらそれはそれで辛い気持ちになるだろうと思った。

 

最後に残しておいたソーセージに小さな睡眠薬を挟む。



それを一つ、また一つ・・・
シロは迷いなくそれらを食べた。


 

私達を信じているんだ。
これが飼い主の責任なんだと この時思った。

 


どんな風になるのか・・・?
正直怖かった。


以前 飲ませたときは、あまり効かず、怖がらせただけだった。
前回みたいじゃだめだ。
しっかりと眠らせてあげないと・・・・

 

私もサルも必死だった。

そして愛するシロを楽にしてあげたい・・・!!

ただそんな思いに突き動かされていた。


 

シロをいつもの場所に座らせ
二人で撫でた。


 

シロを安心させようと いつものように
「ねん ねん ねん」と眠らせようとするんだけど
声が震えて かすれて 出ない。


でも、不安にさせちゃいけない。



事実上これがシロとの別れなんだ。


シロは自宅で、いつもの自分の場所で眠りにつく。
私とサルに見守られて。



だからしっかりしなきゃ・・・。


「シロ・・・!ありがとう」
「シロ・・・大好きだよ」
「シロ・・これで楽になるからね」
「シロ・・今までよく頑張ったね」


「最高の犬だったよ」


ありったけの想いをシロに伝えた。

涙が流れて鼻が詰まって
ティッシュで拭きながら ひたすらシロを撫でた。


しばらくしてシロは足の力が抜けた。
腰の力も抜けてきた。
眠そうに、でも「寝るもんか」といつものシロらしく抵抗している。

 

「大丈夫・・ここにいるから」
「眠っていいよ」




「だいじょうぶ」
はシロの大好きな言葉だった。



元気な頃のシロに

「だいじょうぶ」と言うと

シロは嬉しそうに耳を後ろに傾け お腹を出したり、安心して眠ったりしていた。





ようやく安心したのか、眠さに抵抗できなくなったのか
シロは目を閉じた。


鼻が詰まっているからうまく眠れずに時々頭を動かしていたけど
それでもブゥブゥ・・といつものように寝息を立てた。


それは、いつものシロの寝顔だった。
 


どうか、ぐっすり眠ってくれますように・・・。
シロが怖い思いをしないように。

 


私達は、涙を拭いて、できる限りいつも通りに振舞った。
シロが安心して眠っていられるように。


 

しばらく経っただろうか。
そろそろ病院に行く準備をしなけりゃいけない。


恐る恐る、サルがシロに触れてみた。
大丈夫、よく寝てる。





そして、抱こうとした時

シロはやっぱり抵抗した。

力の入らない足で、おそらくは無意識で・・。


 

「どうしよう・・・・」


時間は迫っていった。

 

【続く】



とら
 


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プロフィール

HN:
とらちゃん&サル
性別:
非公開
自己紹介:
とらちゃん♀&サル♂です。
旅にバイク 人生を楽しく生きることをやめずにいるバカ夫婦。

出会いや別れ 失敗や成功
嬉しいことや 悲しいこと
 
いろんなことに日々向き合って
結局は「楽しく」生きていきたいな。

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