とらちゃんとサル。 バカ夫婦歴22年。 何年経っても仲良しで冒険好きな夫婦です。 そんな人生の旅の途中。 出会いや別れの中で気付いたこと、思ったことなどを綴っています。
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※続き
車が家に着いた。
いつもなら一目散に玄関の鍵を開けてシロを安心させていた。
あの時、玄関の鍵を開けた瞬間を
私は一生忘れないと思う。
13年間 毎日待っていてくれたシロの姿がそこになかった。
病気でほとんど目が見えなくてもいつもそこでシロは待っていた。
きっと、一番に私達に会える場所だったからだと思う。
シロのいない玄関で
私達は大声をあげて泣いた。
嗚咽・・というのだろうか
私は大人になってあんなに泣いたことはなかった。
わかっていた
余命2、3ヶ月と言われ
覚悟をしていた。
それより十分長く生きて
貰った命だと思っていた。
何よりも、自分達の意思で
シロの命を終わりにした。
そんなことはすべてわかっていた。
あのまま決断をしなかったらシロも私達も
もっともっと苦しんでいたことも・・・
すべてわかっていて すべて納得していて
でもそんな気持ちとは別のところにある。
「シロ・・・・!!!!」
存在していただけで
こんなにも私達を支えてくれていたと思い知らされる。
「覚悟」とは別のところに「寂しい」や「愛しい」があることを知った。
シロを飼ったときから
たとえ病気にならなくても
私達より先にシロが逝ってしまうことはわかっていた。
でも。
13年というのはあまりにも長かった。
『かけがえのないもの』
というのがあるのだと
『かけがえのないもの』
とはこういうことなのだと
初めて知った。
その夜はなかなか眠れず
サルと二人シロの話ばかりしていた。
あまりの寂しさに
自分達の決断が本当に良かったのかと思い始めた。
シロはまだ生きたかったかもしれない・・・・・
私達の勝手でシロの命を奪ってしまったのか・・・?
(事実そうなのだけど)
心が潰れそうだった。
「シロに会いたい・・・・」
思わず最近撮ったシロの動画を観た。
そこには パンパンに腫れた顔で 苦しそうな息をしているシロがいた。
改めて見ると なんてひどい姿なんだろう・・・
目は塞がり、意識は朦朧としている。
ひいたばかりの毛布は血だらけだ。
「良かった・・・終わりにしてやれて」
そう二人で呟いた。
そうだ。
シロは大好きなこと 何一つできなくなっていたんだった。
散歩も
ドライブも
紐で遊ぶことも
骨ガムを埋めることも
匂いを嗅ぐことも
おやつを食べることも
お腹を撫でてもらうことも
鼻をこすってもらうことも
嬉しさを表現することも
走ることも
歩くことさえ・・・
シロはただ
残された口呼吸で
痛みに耐え 暗闇に怯え
生きていた。
そうだったんだ。
そうだったんだよね。シロ・・
動画を観て 少し心が楽になった。
病気で苦しむシロを撮るのは辛かったけど
それでも頑張って生きているシロを残しておこうと思って
最後の数日に撮った動画だった。
その映像に救われた。
撮っておいて良かったと
いや、もっと撮っておけばよかったと
そう思った。
【もう少しだけ 続く】
とら
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