とらちゃんとサル。 バカ夫婦歴22年。 何年経っても仲良しで冒険好きな夫婦です。 そんな人生の旅の途中。 出会いや別れの中で気付いたこと、思ったことなどを綴っています。
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※前回の続き・・・
シロは私達と一緒に 何度も引っ越しをしたから
「私達」が「我が家」だったと思う。
だから、きっと
私達のいるところで シロは安心して旅立ったと思う。
先生達がシロを綺麗にしてくれるというので
もうしばらくシロを待った。
病院はもう閉まっていて 私達だけになった。
それでよかった。
静かな時間がよかった。
シロが大きな箱に入れられて出てきた。
中には綺麗にシャンプーされて石鹸の匂いのするシロが寝ていた。
まるで元気な頃のような真っ白で綺麗な毛並み。
しっかりとした顔立ち。
シロらしい凛々しい寝姿に感動して涙が溢れた。
こんなに綺麗にしてもらって 花まで飾ってもらって
シロ良かったね。そう思った。
会計を済まして車に乗り込む。
思ったより安く2万程だった。
「自宅で亡くなっていたら こんなに綺麗じゃなかったね。」
さっきまでの血だらけのシロを思い出した。
先生達が玄関先で深々と頭を下げてくれていた。
遅くまで、シロのためにありがとうございました・・・・
「さぁお家に帰ろう」
ゆっくりと車は家路に向かった。
シロの亡骸は家に帰っても温かく
やっぱりまだ眠っているだけのように感じた。
とてもとても長い一日が終わった。
なんだか夢でも見ているような気分だった。
いつまでもシロを撫でていたかったけれど
いつものようにシロにおやすみを言って 眠った。
翌朝 起きると真っ先にシロに会いに行った。
シロは冷たくなっていたけれど
昨夜のまま綺麗だった。
さぁ・・・シロの身体ともお別れだ。
二人でシロを車に乗せてお寺へと向かった。
シロの葬儀が終わり シロは大自然に返った。
気が張っていたのか、比較的泣かずにいられた。
でも、ダメだった。
帰りの車で糸が切れたように溢れる涙で 頭が痛くなる。
いつも「シロが家で待っているから」と 慌てて家に帰っていた。
だけど もう家にはシロはいない。
そのことが寂しくて 寂しくて
ただ、寂しくて 寂しくて・・・・
寂しいってこんなに苦しいことだったんだ。
こんな寂しさを初めて味わったと思った。
家に帰るのが怖かった。
シロがいない玄関が怖かった。
だけどシロが待っている気がして
早く帰ってあげなきゃいけない気がして
そんな相反する気持ちで気が狂いそうだった。
誰も待っていなくても・・・・
とにかく思った。
「家に帰りたい・・・・・」
もしかして、シロの魂は待っているかもしれない。
眠っただけのシロだから
きっとそうに違いないと思った。
腫れた目をした二人が ようやく家に着いた。
【まだ少し続く】
とら
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