とらちゃんとサル。 バカ夫婦歴22年。 何年経っても仲良しで冒険好きな夫婦です。 そんな人生の旅の途中。 出会いや別れの中で気付いたこと、思ったことなどを綴っています。
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※前回の続き・・
お肉を食べてテンションが上がったままのシロは
帰ってきたサルにゆっくり尻尾を振った。
耳も嬉しそうに後ろに寝ていて こんな出迎えはサルも久しぶりだっただろう。
病院に連れて行く時間を逆算すると すぐに睡眠薬を飲ませないといけなかった。
サルはきっと、名残惜しいだろうなと思いつつ
時間が経ったらそれはそれで辛い気持ちになるだろうと思った。
最後に残しておいたソーセージに小さな睡眠薬を挟む。
それを一つ、また一つ・・・
シロは迷いなくそれらを食べた。
私達を信じているんだ。
これが飼い主の責任なんだと この時思った。
どんな風になるのか・・・?
正直怖かった。
以前 飲ませたときは、あまり効かず、怖がらせただけだった。
前回みたいじゃだめだ。
しっかりと眠らせてあげないと・・・・
私もサルも必死だった。
そして愛するシロを楽にしてあげたい・・・!!
ただそんな思いに突き動かされていた。
シロをいつもの場所に座らせ
二人で撫でた。
シロを安心させようと いつものように
「ねん ねん ねん」と眠らせようとするんだけど
声が震えて かすれて 出ない。
でも、不安にさせちゃいけない。
事実上これがシロとの別れなんだ。
シロは自宅で、いつもの自分の場所で眠りにつく。
私とサルに見守られて。
だからしっかりしなきゃ・・・。
「シロ・・・!ありがとう」
「シロ・・・大好きだよ」
「シロ・・これで楽になるからね」
「シロ・・今までよく頑張ったね」
「最高の犬だったよ」
ありったけの想いをシロに伝えた。
涙が流れて鼻が詰まって
ティッシュで拭きながら ひたすらシロを撫でた。
しばらくしてシロは足の力が抜けた。
腰の力も抜けてきた。
眠そうに、でも「寝るもんか」といつものシロらしく抵抗している。
「大丈夫・・ここにいるから」
「眠っていいよ」
「だいじょうぶ」
はシロの大好きな言葉だった。
元気な頃のシロに
「だいじょうぶ」と言うと
シロは嬉しそうに耳を後ろに傾け お腹を出したり、安心して眠ったりしていた。
ようやく安心したのか、眠さに抵抗できなくなったのか
シロは目を閉じた。
鼻が詰まっているからうまく眠れずに時々頭を動かしていたけど
それでもブゥブゥ・・といつものように寝息を立てた。
それは、いつものシロの寝顔だった。
どうか、ぐっすり眠ってくれますように・・・。
シロが怖い思いをしないように。
私達は、涙を拭いて、できる限りいつも通りに振舞った。
シロが安心して眠っていられるように。
しばらく経っただろうか。
そろそろ病院に行く準備をしなけりゃいけない。
恐る恐る、サルがシロに触れてみた。
大丈夫、よく寝てる。
そして、抱こうとした時
シロはやっぱり抵抗した。
力の入らない足で、おそらくは無意識で・・。
「どうしよう・・・・」
時間は迫っていった。
【続く】
とら
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