前回の続き・・・
最後の夕食はお肉。
バランスなんてどうだっていい。
シロを目一杯喜ばせたい・・・・!!
実はシロを病院に連れて行くにあたって 大きな問題があった。
それは、シロが自力で車に乗れないこと。
そして、抱っこを怖がって嫌がること。
おそらくは ほとんど見えない目のせいで
いろんなことに怯えるようになっているからだと思う。
撫でようと触れただけで ビクっとなることも多い。
もともと抱っこが大嫌いだったシロにとって
身体を持ち上げられることは 相手がサルでも必死で抵抗することはわかっていた。
身体の大きなシロが抵抗する。
それも最近は怖がって噛むこともある。
現にこの間、服を着せようとして手を持ったらそうだった。
理解力が落ちているシロだけに 本当に危険だった。
それに、シロに怖い思いをさせたくない。
今のシロにとっては少しの変化も恐怖に違いなかった。
ケージに入れるにしても、呼びはきかず 目もほとんど見えないシロを
狭いケージに入れることは至難の業だと思った。
そこで、サルと考えたのが
6月に先生からもらった「睡眠薬」だった。
あの時は、うまく眠れなかったから、あれ以来使っていなかったけど
もしもの時のためにと冷蔵庫で保管してあった。
それを規定量より多く飲ませ、眠らせてから連れて行くという方法だった。
先生に相談すると、
「それがいいと思います」
とのことだった。
だから、睡眠薬を飲んでもらう必要があった。
食欲がなかったり、何も食べなかったら
連れて行く方法がなかった。
食欲が出るといえば
やっぱり肉だろう。(安直?)
それに、何よりシロを喜ばせてあげたい。
最後にいい子にしてくれたように
私からも最後に「嬉しい」をあげたい。
そんな想いが伝わったのか
シロはいつもより足早にご飯を貰いに来た。
呼んでも来なかったシロだったのに
歩くのもトボトボで途中で止まってしまうほどだったのに
チャカチャカと懐かしい音を立てて
嬉しそうなオーラを出して私の後ろを付いてくる 懐かしいシロがいた。
不思議だけれどこの時は繋がっていた。
神様が最後にくれたシロとの繋がりなのかもしれない。
「待て」も「お手」も上手に出来た。
そして、ガツガツガツ・・・・
美味しそうに食べた。
その後は自分から「外に行く」と言い
外でくしゃみ そしてウンチ・・・。
こんなにスムーズな一日はいつ以来だろう。
まるで奇跡。
何度目の奇跡だろう。
私は胸が熱くなった。
そしてサルが帰ってきた。
【またまた続く】
とら
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