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バカ夫婦。

とらちゃんとサル。 バカ夫婦歴22年。 何年経っても仲良しで冒険好きな夫婦です。 そんな人生の旅の途中。 出会いや別れの中で気付いたこと、思ったことなどを綴っています。

   

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シロのあしあと(子犬の頃)

13年前の冬 シロが我が家にやってきた。

真っ白いぬいぐるみみたいで
ちっちゃくて
ムクムクだった。
ma.gif



























赤ちゃんのシロは それこそムートンみたいで
一日中寝ていたっけ。

koma.gif















何にでも興味があって
何でもすぐに覚えて

友達からの人気者だったシロ。

この頃から気が強かったね。

koma2.gif


























片耳が立ってきて凛々しくなってきたね。

一番やんちゃな頃だったけど
悪いことはしないエライ子だったな。


mas.gif













毎日毎日成長したね。

この頃はまだカメラ目線のシロ。

庭で走り回っていたね。

真っ直ぐに揃えられない手が愛しい・・

siro2.gif

















【シロ、子犬の頃・・・】


とら
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ありがとう 愛してる。

※続き


それからの2、3日は
「心にポッカリと穴があいた」
状態だった。



心の奥がスースースースー
シクシクシクシク
どこかで痛む。

 

1週間経っても 10日経っても
シロの布団も食器も なかなか片付けられずにいた。


シロの寝床にシロを探してしまう自分がいた。

 


何だか誰にも会いたくないし
誰にもシロのことを話せずにいた。



シロを思い出すと びっくりするほどの涙・涙・・・
 


でも・・・
一日一日と少しずつだけど心が癒えていく・・


そう感じるたび


いつかこの気持ちも穏やかなものになるのだと
少し 安心した。

 

 


今はシロが一番シロらしい写真をいっぱい飾って

時々は泣いてしまいながらも

シロが安心して天国に行けるように話しかけている。

 

 

自分達が下した決断が正しかったのかどうか
それは一生わからない。


シロがそれで良かったと思ってくれたか
それも一生わからない。

 


だけど、寒く冷える朝を迎えるたび
シロがあれ以上苦痛を味わうことがないのだと
感謝をしている。

 


もちろん
時々罪悪感は出てくる。

 

だけど、きっと病気になった以上
後悔のない別れ方はなかったのではないかと思う。


 

言葉の話せない犬との闘病生活は
本当に葛藤の連続だった。

 

 

今になって ただひとつ、後悔をするならば

シロが「病気にならないように」
もっとできることがあったんじゃないかってこと。


それだけが悔やまれる。

 


願わくば
健康でキラキラした
嬉しそうなシロと

いつまでも一緒にいたかった・・・。

 


今でも無性に触りたくて
撫でたくて
会いたくて
仕方がないときがある。



フワフワの白い毛。
真っ黒な瞳。
太い首。



全部全部大好きだった。


 

いつまでも愛している。
本当に愛している。

シロは私達の宝物だ。永遠に。



 

今頃は天国でいっぱい走り回ってるかな。

他の犬とはうまくやってるかな。

シロは賢いから
すぐに今の状況に慣れるよね。




もう目も見えるし
匂いもわかるよね。

思いっきり遊ぶこともできる。

その姿をまた夢で見せてよね。



シロ・・・
長い間頑張ってくれてありがとう。


私達と家族になってくれてありがとう。


たくさんの愛をありがとう。


どうかこの思い、シロに届きますように・・・!!

 


↓「犬のうた~ありがとう~」です。
 ※動画をお借りしました。(piping440様ありがとうございます。)

http://www.youtube.com/watch?v=73QyGC_XZ9E


☆長い間シロを応援して下さった皆様
 どうもありがとうございました・・!!

 後日シロの写真をアップする予定ですので
 またお立ち寄り頂ければ幸いです。


とら
 


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救い

※続き


車が家に着いた。
 

いつもなら一目散に玄関の鍵を開けてシロを安心させていた。


 

あの時、玄関の鍵を開けた瞬間を
私は一生忘れないと思う。



13年間 毎日待っていてくれたシロの姿がそこになかった。


病気でほとんど目が見えなくてもいつもそこでシロは待っていた。


きっと、一番に私達に会える場所だったからだと思う。


 


シロのいない玄関で
私達は大声をあげて泣いた。


嗚咽・・というのだろうか
私は大人になってあんなに泣いたことはなかった。




わかっていた
余命2、3ヶ月と言われ
覚悟をしていた。



それより十分長く生きて
貰った命だと思っていた。



何よりも、自分達の意思で
シロの命を終わりにした。



そんなことはすべてわかっていた。



あのまま決断をしなかったらシロも私達も
もっともっと苦しんでいたことも・・・


 

すべてわかっていて すべて納得していて


でもそんな気持ちとは別のところにある。


 

「シロ・・・・!!!!」


存在していただけで
こんなにも私達を支えてくれていたと思い知らされる。




「覚悟」とは別のところに「寂しい」や「愛しい」があることを知った。


 

シロを飼ったときから

たとえ病気にならなくても

私達より先にシロが逝ってしまうことはわかっていた。



でも。
13年というのはあまりにも長かった。





『かけがえのないもの』
というのがあるのだと 




『かけがえのないもの』
とはこういうことなのだと



初めて知った。



 

その夜はなかなか眠れず
サルと二人シロの話ばかりしていた。


あまりの寂しさに
自分達の決断が本当に良かったのかと思い始めた。



シロはまだ生きたかったかもしれない・・・・・


私達の勝手でシロの命を奪ってしまったのか・・・?

(事実そうなのだけど)




心が潰れそうだった。




「シロに会いたい・・・・」
 

思わず最近撮ったシロの動画を観た。

 

そこには パンパンに腫れた顔で 苦しそうな息をしているシロがいた。


改めて見ると なんてひどい姿なんだろう・・・



目は塞がり、意識は朦朧としている。

ひいたばかりの毛布は血だらけだ。




「良かった・・・終わりにしてやれて」
そう二人で呟いた。



そうだ。
シロは大好きなこと 何一つできなくなっていたんだった。


散歩も
ドライブも
紐で遊ぶことも
骨ガムを埋めることも
匂いを嗅ぐことも
おやつを食べることも
お腹を撫でてもらうことも
鼻をこすってもらうことも
嬉しさを表現することも
走ることも
歩くことさえ・・・


シロはただ
残された口呼吸で
痛みに耐え 暗闇に怯え
生きていた。


そうだったんだ。

そうだったんだよね。シロ・・
 



動画を観て 少し心が楽になった。
 

病気で苦しむシロを撮るのは辛かったけど
それでも頑張って生きているシロを残しておこうと思って
最後の数日に撮った動画だった。
 

その映像に救われた。


撮っておいて良かったと
いや、もっと撮っておけばよかったと
そう思った。



【もう少しだけ 続く】

 

とら


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糸が切れたとき

※前回の続き・・・



シロは私達と一緒に 何度も引っ越しをしたから
「私達」が「我が家」だったと思う。



だから、きっと
私達のいるところで シロは安心して旅立ったと思う。

 



 

先生達がシロを綺麗にしてくれるというので
もうしばらくシロを待った。

 

病院はもう閉まっていて 私達だけになった。
 

それでよかった。

静かな時間がよかった。

 

 


シロが大きな箱に入れられて出てきた。


中には綺麗にシャンプーされて石鹸の匂いのするシロが寝ていた。


 


まるで元気な頃のような真っ白で綺麗な毛並み。


しっかりとした顔立ち。


シロらしい凛々しい寝姿に感動して涙が溢れた。

 


 

こんなに綺麗にしてもらって 花まで飾ってもらって

シロ良かったね。そう思った。

 




会計を済まして車に乗り込む。
思ったより安く2万程だった。

 

「自宅で亡くなっていたら こんなに綺麗じゃなかったね。」


さっきまでの血だらけのシロを思い出した。


 

 

先生達が玄関先で深々と頭を下げてくれていた。

遅くまで、シロのためにありがとうございました・・・・

 



 

「さぁお家に帰ろう」

ゆっくりと車は家路に向かった。




シロの亡骸は家に帰っても温かく
やっぱりまだ眠っているだけのように感じた。



とてもとても長い一日が終わった。

なんだか夢でも見ているような気分だった。



 

いつまでもシロを撫でていたかったけれど

いつものようにシロにおやすみを言って 眠った。


 

翌朝 起きると真っ先にシロに会いに行った。

 

シロは冷たくなっていたけれど
昨夜のまま綺麗だった。




さぁ・・・シロの身体ともお別れだ。

 

二人でシロを車に乗せてお寺へと向かった。

 

 

シロの葬儀が終わり シロは大自然に返った。


気が張っていたのか、比較的泣かずにいられた。



 


でも、ダメだった。

帰りの車で糸が切れたように溢れる涙で 頭が痛くなる。

 


いつも「シロが家で待っているから」と 慌てて家に帰っていた。


だけど もう家にはシロはいない。

 

そのことが寂しくて 寂しくて
ただ、寂しくて 寂しくて・・・・


寂しいってこんなに苦しいことだったんだ。



こんな寂しさを初めて味わったと思った。


 

家に帰るのが怖かった。
シロがいない玄関が怖かった。


だけどシロが待っている気がして
早く帰ってあげなきゃいけない気がして


そんな相反する気持ちで気が狂いそうだった。




誰も待っていなくても・・・・


とにかく思った。




「家に帰りたい・・・・・」




もしかして、シロの魂は待っているかもしれない。

 

眠っただけのシロだから
きっとそうに違いないと思った。




腫れた目をした二人が ようやく家に着いた。




【まだ少し続く】


とら
 


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最期の瞬間

※前回の続き


先生に会うと まず聞かれたのは


「お別れをして、最期の瞬間を先生達に任せるか
それとも、最期の瞬間に立ち会うか?」

ということだった。

 


「立ち会いたいです・・・」
そう答えた。


シロを一人ぼっちで逝かせるわけにはいかなかった。
最後まで目をしっかり開けなければと思った。

 


思えば、シロが先生に会ったのは1年前の検査の日。
それから1年後に 次はシロの最期の処置をするなんて 先生も複雑だったかもしれない。



先生はずっとシロを病院に連れてこなくてもいい方法をとってくれた。
それは本当に私達にとって有難かった。


先生は多くの鼻腔内腫瘍のワンちゃんを診てきてた人だったし
癌などの難しい病気に対応できる大きな病院だった。


遠くから診察に来る患者さんも多く、
そんな病院が近くにあったことに改めて感謝をした。

 


 

「準備をしますので、しばらくお待ち下さい」
そう言われて別室に私達は入った。


 

シロのケージが運ばれていく・・。


 

半眠りのシロに声をかけ、先生達に預けた。

 



どれほどの時間が経っただろうか?

15分だったかもしれないし、30分だったかもしれない。

 


とても重く、長い時間だった。


シロは大丈夫だろうか・・・・??
目が覚めて、怖がってないだろうか??




サルと私は、ほとんど無言のまま待った。



 

ようやくシロが私達の元に帰って来た。


半眠りのままのシロは、暴れることもなく怖がっている風でもなかった。




ゆっくりと毛布の上に寝かせてもらうシロ。

私達の足元で、いつものようにシロがいる。

 

 

「シロ・・・・!!!」


 

頭を撫でる。


私達の手を覚えているはずのシロを少しでも安心させてあげたい・・・


頭を撫でる。


ありったけの愛が届くように・・・・


頭を撫でる。


シロの命を感じるために・・・


 

この時、サルと私が何を語りかけていたのか ほとんど覚えていない。

涙と鼻水に邪魔をされないように必死でシロを見ていた。



そして手にすべての神経を集め、シロを感じていた。





少し落ち着いたころ 先生から

「まず、意識がなくなって、その後心臓が止まります」

そう説明を受けた。


 

ブゥブゥと苦しそうに口で息をするシロ。


ようやく楽にしてやれる・・・



 

「では、シロちゃんに声をかけてあげてください」

先生は言った。



ずっと声をかけていた私達だったけど

改めて これが最後になるんだと思った。




最後に何を・・・・???



「シロ・・・・ありがとう」

もう言葉が出てこない・・・



「シロ・・・・・・ごめんね・・」

小さく出た一言。



ごめんね、ずっと元気に生涯を全うさせてやれなくて・・・・

ごめんね、こんなになるまで苦しませて

ごめんね・・・ずっと一緒にいられなくて・・・





ずっと「ごめんね」なんて言いたくなかった。

でも、やっぱりごめんね。シロ。





ブゥブゥと苦しそうなシロの息がス~~っと楽になる。


うっすらと開いていた目が最後にサルを捉えて そして目を閉じた。



スゥスゥとゆっくりとした呼吸だけが聞こえる。



まるで、ただ眠ったように。
深く深く眠ったように。



そして、プク・・プク・・・と呼吸をしていたお腹の動きがゆっくりと止まる。




シロの命が終わった瞬間だった。




あまりにも安らかで、あまりにも穏やかで
本当にシロの命が終わったのだろうかと思った。



シロはまだ暖かい。

もしかして目を覚ますんじゃないか??


そう思うほどだった。





先生は時間を読み上げた。

シロの死が現実になった。




【もう少し続く】


とら

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優しい時間

※前回の続き・・・



つくづくシロは抱っこが嫌いなんだな と改めて思った。

 

抱っこも嫌いだけど
お風呂も嫌い。(水が苦手)
耳掃除も爪切りも嫌い ブラッシングはまぁまぁかな。


 

ほとんどの犬とは相性が悪くて
小さな子供も苦手。
 

トラックやバスも嫌いで
かみなりや花火も嫌い。
 

引っ張られるのも嫌い。
カメラも嫌い。

1人でいるのも嫌い。
外で寝るのも嫌い。


 

でも。

私達の嫌がることは絶対しない。

 

従順で一途で頑固だった。



ルールに従い自分で動く。
それがシロのスタイルだった。



そんなシロを大好きだったけど
この時は本当にまいった。

 


もちろん元気なときは、嫌なことでもしぶしぶ我慢していた。

飼い主の命令は絶対だったのだろう。


ただ、お風呂だけは そそくさと逃げていたけど・・・・(笑)

 


 


抱っこができなければケージに入れるしかない・・・

でも、自分で入ってもらうしかないのだ。



呼びはきかない。
認識もできない。

おまけに意識も朦朧としている・・・

 


でも・・・そこはやっぱりシロだった。
 

私達の呼びかけに気付いたのかそれとも無意識か・・

ヨロヨロっと一瞬だけ立ち上がり

うまく用意したケージに入ることができた。


 

シロはケージに入って 飛行機に乗ったこともある。
本当は嫌だろう狭いケージだけど
いつも嫌がらず賢く入ってくれた。



 

この時もそうだった。



ケージに入り、その狭さでかえって安心したのか
スゥスゥと眠り始めた。




そしてこれが、シロが歩いた最後だった。



 

シロの大好きな車にケージを載せた。


車の音の中で眠っているシロ。

大好きなドライブの夢を見ているといいな。



 

私とサルはできるだけ楽しそうな声を出して

「シロ、今から山に行こうね!」
「いっぱいいっぱい走ろうね・・・・・!」

そんな言葉をかけていたと思う。


 

シロの寝息を聞きながら車は病院へと向かった。



スヤスヤと眠っているシロ。
怖がってないシロ。


それだけでも救われた。



これから起こることを考えると
私もサルも精神的にフラフラだったと思う。



そんな気持ちをシロに悟られなくて良かった。


「いつもと違うこと」に敏感なシロだから
眠っていなかったらどうなっていただろうと思った。



鼻が詰まって眠れないシロのために貰った睡眠薬が
こんな風に最後のときを優しくしてくれた。


この方法をとって良かった・・・・!!

そう思いながら 3人での最後のドライブを噛み締めていた。





そして、車は病院に着いた。



【またまた続く】


とら
 


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シロ、自宅で眠りにつく

※前回の続き・・



お肉を食べてテンションが上がったままのシロは
帰ってきたサルにゆっくり尻尾を振った。

耳も嬉しそうに後ろに寝ていて こんな出迎えはサルも久しぶりだっただろう。

 


病院に連れて行く時間を逆算すると すぐに睡眠薬を飲ませないといけなかった。

 

サルはきっと、名残惜しいだろうなと思いつつ
時間が経ったらそれはそれで辛い気持ちになるだろうと思った。

 

最後に残しておいたソーセージに小さな睡眠薬を挟む。



それを一つ、また一つ・・・
シロは迷いなくそれらを食べた。


 

私達を信じているんだ。
これが飼い主の責任なんだと この時思った。

 


どんな風になるのか・・・?
正直怖かった。


以前 飲ませたときは、あまり効かず、怖がらせただけだった。
前回みたいじゃだめだ。
しっかりと眠らせてあげないと・・・・

 

私もサルも必死だった。

そして愛するシロを楽にしてあげたい・・・!!

ただそんな思いに突き動かされていた。


 

シロをいつもの場所に座らせ
二人で撫でた。


 

シロを安心させようと いつものように
「ねん ねん ねん」と眠らせようとするんだけど
声が震えて かすれて 出ない。


でも、不安にさせちゃいけない。



事実上これがシロとの別れなんだ。


シロは自宅で、いつもの自分の場所で眠りにつく。
私とサルに見守られて。



だからしっかりしなきゃ・・・。


「シロ・・・!ありがとう」
「シロ・・・大好きだよ」
「シロ・・これで楽になるからね」
「シロ・・今までよく頑張ったね」


「最高の犬だったよ」


ありったけの想いをシロに伝えた。

涙が流れて鼻が詰まって
ティッシュで拭きながら ひたすらシロを撫でた。


しばらくしてシロは足の力が抜けた。
腰の力も抜けてきた。
眠そうに、でも「寝るもんか」といつものシロらしく抵抗している。

 

「大丈夫・・ここにいるから」
「眠っていいよ」




「だいじょうぶ」
はシロの大好きな言葉だった。



元気な頃のシロに

「だいじょうぶ」と言うと

シロは嬉しそうに耳を後ろに傾け お腹を出したり、安心して眠ったりしていた。





ようやく安心したのか、眠さに抵抗できなくなったのか
シロは目を閉じた。


鼻が詰まっているからうまく眠れずに時々頭を動かしていたけど
それでもブゥブゥ・・といつものように寝息を立てた。


それは、いつものシロの寝顔だった。
 


どうか、ぐっすり眠ってくれますように・・・。
シロが怖い思いをしないように。

 


私達は、涙を拭いて、できる限りいつも通りに振舞った。
シロが安心して眠っていられるように。


 

しばらく経っただろうか。
そろそろ病院に行く準備をしなけりゃいけない。


恐る恐る、サルがシロに触れてみた。
大丈夫、よく寝てる。





そして、抱こうとした時

シロはやっぱり抵抗した。

力の入らない足で、おそらくは無意識で・・。


 

「どうしよう・・・・」


時間は迫っていった。

 

【続く】



とら
 


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最後の奇跡

前回の続き・・・



最後の夕食はお肉。

バランスなんてどうだっていい。
シロを目一杯喜ばせたい・・・・!!




実はシロを病院に連れて行くにあたって 大きな問題があった。



それは、シロが自力で車に乗れないこと。
そして、抱っこを怖がって嫌がること。


おそらくは ほとんど見えない目のせいで
いろんなことに怯えるようになっているからだと思う。


撫でようと触れただけで ビクっとなることも多い。 


もともと抱っこが大嫌いだったシロにとって
身体を持ち上げられることは 相手がサルでも必死で抵抗することはわかっていた。


身体の大きなシロが抵抗する。
それも最近は怖がって噛むこともある。


現にこの間、服を着せようとして手を持ったらそうだった。


理解力が落ちているシロだけに 本当に危険だった。




それに、シロに怖い思いをさせたくない。
今のシロにとっては少しの変化も恐怖に違いなかった。



ケージに入れるにしても、呼びはきかず 目もほとんど見えないシロを
狭いケージに入れることは至難の業だと思った。


そこで、サルと考えたのが
6月に先生からもらった「睡眠薬」だった。



あの時は、うまく眠れなかったから、あれ以来使っていなかったけど
もしもの時のためにと冷蔵庫で保管してあった。


それを規定量より多く飲ませ、眠らせてから連れて行くという方法だった。


先生に相談すると、

「それがいいと思います」

とのことだった。




だから、睡眠薬を飲んでもらう必要があった。


食欲がなかったり、何も食べなかったら
連れて行く方法がなかった。


食欲が出るといえば
やっぱり肉だろう。(安直?)





それに、何よりシロを喜ばせてあげたい。

最後にいい子にしてくれたように
私からも最後に「嬉しい」をあげたい。


そんな想いが伝わったのか
シロはいつもより足早にご飯を貰いに来た。




呼んでも来なかったシロだったのに
歩くのもトボトボで途中で止まってしまうほどだったのに


チャカチャカと懐かしい音を立てて
嬉しそうなオーラを出して私の後ろを付いてくる 懐かしいシロがいた。


不思議だけれどこの時は繋がっていた。
神様が最後にくれたシロとの繋がりなのかもしれない。




「待て」も「お手」も上手に出来た。


そして、ガツガツガツ・・・・
美味しそうに食べた。


その後は自分から「外に行く」と言い
外でくしゃみ そしてウンチ・・・。


こんなにスムーズな一日はいつ以来だろう。




まるで奇跡。
何度目の奇跡だろう。


私は胸が熱くなった。




そしてサルが帰ってきた。




【またまた続く】



とら

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最期の日

先日、シロは天国へと旅立った。

それはそれは安らかな最期だった。

 

私達が選んだのは「安楽死」
まさか、自分がそんなことを経験するとは夢にも思わなかった。

愛するシロと 自分の意思でお別れするなんて。


 

当日の私はさすがに落ち着かなくて
緊張や不安、寂しさなどが ぐるぐる回っていた。


シロにも緊張が伝わっていたのか 息が苦しかったのか
なかなか眠れず、落ち着かない様子だった。




最後に食べさせてあげようとサルが買って来てくれたシニアフードの缶詰。

でもシロはまったく興味を示さず 食べない。

食欲がないのだろうか?


ジャーキーをあげる  → 食べる
ジャーキーをもう一本 → 食べる
缶詰を手にとってあげる →食べた・・・と思ったらペっと吐き出す
ビスケットをあげる →食べる
もう一度缶詰を・・・ →ペっと吐き出す(笑)


どうやら「シニアフード」が気に入らなかったようだ。
「柔らかいものなんか食えるか!」ってことなのかな。

何だか最後にシロらしさを見せてくれて嬉しい気持ちになった。



急遽 用意した さんまご飯を食べるシロを見て
「夕食はお肉にしよう」   そう心に決めた。


 

最期の日は不思議なくらい 私に迷惑をかけない日だった。

いつも、部屋でくしゃみをし その刺激でオシッコやウンチをする。

それが、この日は違った。



まず「外に出して」とドアをカチャカチャ。
ドアを開けて わずかに見えるシロの右目に手でサインを出す。


サインを見て恐る恐る外に出るシロ。
そしてしばらくして グシュシュシュシュ~~~!!!とくしゃみ。




頭を左右にはげしく振り 血を撒き散らす。
必死で足を広げ、こけないように踏ん張る。


そのまま庭でオシッコ。


えらいえらい!!こんなこと珍しい!


 


夕方もそうだった。

一緒に外に出て 庭から私がシロを呼ぶ。



最近は呼んでも来ない。認識ができないようだった。

この日も最初はそうだったが でも違った。



「シロ・・・!最後のオシッコなんだよ。 かっこよく決めてみようよ」

「シロ・・・!頑張ってみようよ」

「とらちゃんにカッコイイとこ見せて!!」

そう呼びかけてみた。



すると、すこし考えたシロは サルが作ってくれた長いスロープをトコトコ降り始めた。

「そうそう!シロ!えらいえらい!!」
私は必死に応援した。

 

最後まで降りきったシロは そのまま庭でかっこよく片足を上げてオシッコをした。


ここ最近は、足をあげるのもままならなかったのに。

 

「シロ!!!すごいすごい!!えらいね~!!!」
 

涙目で嬉しそうに私が叫ぶと 
これまた珍しく 耳を少し後ろにし ゆっくりと尻尾を振って撫でてもらいにきた。



「どう?僕、最後までいい子だったでしょ?」
 

そんなシロの声が聞こえてくるような気がした。



こんなシロは久しぶりだった。


本当に言葉が伝わっていたのだろうか。

 

きっとそうだ。

13年、シロとは何度も心を通わせた。

私の気持ちをいつもわかっていてくれたシロだから。



ありがとう、シロ。
さすがだよ。シロ。



『こんなシロならもっとずっと一緒にいられるかもしれない・・・』
 

そんな気持ちがよぎらなかったと言えば嘘になる。
 

でもどこかでわかっていた。
 

シロは最後に、格好いいところを私に見せたかったのだ。
 

シロもお別れがそこまで来ていることを
きっとわかっていたのだと思う。



そして最後の夕食・・・・・

 

【長くなったので続きは次回に・・・】
 


とら

 


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ありがとう。

シロとお別れをすることが決まった。

自然に最後まで命を全うさせてあげたかったけど
考えてみたら、飼い犬の時点で「自然ではない」のだ。


もし、シロが大自然で生きていたとしたら
膿を拭いてくれる人はいない。
見えなくなった目で餌を探すこともできず
どこかで身を潜めてじっとしているだろう。

お腹が空いても餌をくれる飼い主はなく
空腹に耐えながら、やがて命尽きていたと思う。


飼い犬だったから薬やサプリで抵抗力をつけ
飼い犬だったから、餌をもらいここまで生きた。
膿を拭いてもらい、かろうじて見えることができた。


だからこその苦しみもあるのかもしれなかった。
飼い犬だからこその。


そういう意味ではシロの寿命は本当は過ぎていて
シロの命は違う命として
生まれ変わりたいのかもしれない。


生まれ変わりを信じているわけじゃないけど
もしかして、そうだとしたら
逆に不自然なことをしていることになる。


物事はひとつの方向から見えていることがすべてじゃない。



まぁそうやって今の気持ちを正当化したいだけなのかもしれないけど・・・・・



正直複雑な想いがいっぱいある。

だけど、11月に入ってからのシロは
「幸せ」な瞬間はおそらくない。

苦しそうにするシロに
「もうちょっとで楽にしてあげるからね」と語りかける。

ようやく

「大丈夫?」

以外の言葉をかけてあげられた。


大丈夫なわけないシロに 言ってあげられる言葉。



愛情のかけかたはそれぞれだけど
この選択は私とサルからの最後の愛情だ。


いつかは待っている痙攣発作から守ってやる。
まったく見えない光のない世界から守ってやる。
毎日の痛みと苦しみから守ってやる。


そんな守り方もありだよね。


シロは病気がわかってから9ヶ月も嬉しそうに走っていた。
キラキラして、おやつをもらって、大好きなことをしていた。

そして、病気がわかってから 一年近く 大好きな散歩に行って
好きな女の子に尻尾を振っていた。


そして、最後まで強く、わけがわからなくなりながらも
今までのことを忠実に守ろうとし、誇り高く我慢強い。



何よりも、シロはどれほどの愛をくれただろう。


シロがいてくれたおかげで
どれほどの笑顔を与えてくれただろう。


そして、シロの存在のおかげで今の私達がある。


ありがとう。シロ。


ありがとう。



あと少しの命に精一杯の愛を・・・・


少しでも届きますように。



とら
 


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プロフィール

HN:
とらちゃん&サル
性別:
非公開
自己紹介:
とらちゃん♀&サル♂です。
旅にバイク 人生を楽しく生きることをやめずにいるバカ夫婦。

出会いや別れ 失敗や成功
嬉しいことや 悲しいこと
 
いろんなことに日々向き合って
結局は「楽しく」生きていきたいな。

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とら&サル
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