あれから、薬のおかげで大量の出血はない。
何日かはシロらしく
キラキラと元気にしていた。
でも、2,3日前からまたまた様子がおかしくなった。
どうやら鼻が詰まって苦しくて
眠れないようだった。
昼間も、夜も、すごいイビキと時々苦しそうにむせる声。
そして落ち着かないのかウロウロと場所を何度も変える。
眠いはずなのに眠れない。
それってとても苦しいはずだ。
同時に私も夜中に何度も目が覚める。
心が弱ったせいか、珍しく風邪をひいた。
風邪のせいで鼻が詰まる。
でも・・・
私は治るのだ。
ただの風邪なのだから。
シロはもう鼻が詰まって匂いがわからないらしい。
友達の家の犬をさわって帰ったとき
匂いチェックもせずに
「ご飯ご飯!」と嬉しそうなシロ。
びっくりした。
今までだったら、「どこで浮気してきたんだ!」
とのごとく
隅々まで匂いチェックされる勢いだったのに。
匂いがわからない。
寂しかった。
しつこいくらいの匂いチェックはもうしてもらえないのだ。
少しずつ機能が失われていく。
散歩は今も好きだけど
やっぱり前と違っていた。
まるで 歩くより「匂いを嗅ぎに行っている」といえるような
掃除機のような散歩スタイルだったのが
まっすぐを向いて お利口に歩く。
いつも、まっすぐを向いて歩く犬がうらやましかった。
どうしてこんな掃除機みたいな歩き方なんだろうと
何度も直そうとした。
今になって、お利口なシロになった。
嬉しいとは思えないけど
シロの散歩は随分楽になった。
少しずつシロらしさが消えていく。
シロはこんなにも
シロらしさを持っていたのだ。
なくなって初めてわかる。
シロがシロらしいことが素晴らしいってこと。
今でもまだシロらしさはいっぱいある。
残りのシロとの時間で
その部分をもっと見たい。
誉めると仏頂面になるところ
嬉しそうに埋めた骨を見せるところ
悲しんでいると傍に来てくれるところ
階段から落ちてもすぐに登ろうとするところ
おねだりのときの顔
叱られたときにお腹を出すしぐさ
数え上げたらキリがない。
シロはそのすべてが素晴らしい。
きっと、誰だってそうなのだろうけど。
いつだって気付くのは失ってからなのかもしれない。
とら
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