【
前回のつづき】
流産の後の二度目の命。
次こそは大切にしようと思った。
だけどまだ、検査で陽性になっただけで
エコーでは何も確認できなかった。
「多分この辺りでしょう、次回は確認できると思いますよ」
先生が嬉しそうに言った。
今度はちゃんと心臓が確認できるまでは
サル以外には言わないでおこう。
そう思った。
周りをぬか喜びさせるのはもう嫌だったから。
友達は「妊娠おめでとう」のプレゼントを考えてくれていたし
親は大喜びでお祝いをくれた。
そんなみんなをがっかりさせるのはもう嫌だったから。
それに、何だか惨めだったから。
今度こそ、しっかりと育ってくれますように・・・・!!!
ドキドキしながら2度目の検査に行った。
今度は妊婦として待合室に座っていた。
どうか姿が見れますように・・・!!
だけど、その願いは空しく
また胎児の姿は確認できなかった。
先生は「おかしいな・・・」と言いながらも
もう1週間ほど様子を見ましょうと言った。
私は何だか嫌な予感がした。
何だかおかしい・・・そう思った。
1週間も待っていて本当にいいの??
私は母親に打ち明け、今の状態を話した。
母には心配かけるけれど、他に頼れる人はいなかった。
その時サルは仕事の関係でしばらく遠くに住んでいた時だったから。
でも、サルに心配かけずにいれて良かったと思った。
そばにいてくれたら嬉しいけれど
きっと甘えてしまっていたと思うから。
そして、他の病院でもう一度見てもらった。
妊娠反応はあるのに胎児は見えない・・・
不安で不安で仕方がなかった。
「子宮外妊娠の可能性があります」
その病院で告げられた。
ショックよりも「やっぱり!」という気持ちが強かった。
ここでは手術は無理なので・・と大きな病院を紹介された。
もうそこからはあんまり覚えていない。
だけど今度は泣かなかった。
そのまま紹介された病院に行った。
そこでこう言われた。
「おそらく卵管あたりで止まって着床してしまっていると思われます。
このまま放っておくと卵管が破裂してしまい、大変危険です。」
もう何でもいいから楽にして欲しかった。
もうこんなのはごめんだと思った。
普通が良かったのに
普通に子どもが欲しかったのに
普通ってなんて難しいことなんだろう・・・・
手術の前にもう一度流産の処置をすることになった。
子宮を空っぽにして、それでも妊娠反応があれば
子宮以外の場所に着床していることになる・・・という説明を受けた。
またアレをやるのか・・・・。
二度とやりたくなかったあの惨めな手術・・・
私は「前に他の病院で麻酔がきかなかった」と伝えて
覚悟を決めた。
嫌だからと逃げられないんだもんね。
もう、やりきるしかない・・・・。
サルが近くにいなくて心細かったけど
2度目ということもあって前回よりも怖くはなかった。
だけど、流産の処置というのは
なんて空しい手術なんだろう・・・・。
できることなら
もう二度とやりたくない。
早く普段の日常に戻って
サルと二人楽しく過ごしたいな・・・・
その時の私の願いはそれだけだった。
【つづく】
とら
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