【
前回のつづき】
流産の処置の手術が終わってもやっぱりまだ妊娠反応は陽性だった。
「妊娠反応が陽性」ということは本来はとっても嬉しいことだけど
この時は違った。
子宮の中には何もないのに陽性反応がある・・・
それは子宮以外に着床している証拠だった。
子宮外妊娠・・・
そんなことが自分の身に起こるなんてまだ信じられなかった。
数日後に子宮外妊娠の手術をすることになり帰宅した。
手術をすることはとても怖かったけれど
それで楽になれるなら早く終わってほしいと思った。
週末にサルが仕事から帰宅していた。
サルがいてくれることが嬉しくて
あんまり手術のことは考えたくなかった。
だけど、急にひどい腹痛に襲われた。
出血も多く、ちょっと変だなと思った。
夜遅くだったけどサルが病院に連れて行ってくれて
そのまま緊急手術をすることになった。
心の準備が全然できていなかったので
ただオロオロして看護士さんの言うことを聞いているだけだった。
サルはどんな気持ちだったんだろう。
すっごく心配かけたんだろうけど
その時は自分のことで必死で
サルのことまで気が回らなかった。
言われるままにいろいろ検査をしたり
準備をしたり
どんどん進んでいく・・・。
気の弱い私には そんな風に急なほうが良かったのかもしれない。
あっという間に麻酔をかけられ
頭がボ~っとしたと思うと
ひどい寒さと口の中の気持ち悪さで目が覚めた。
ひどく眠くて
どうなったのか聞きたくて
サルが心配そうに覗き込んで何かを言ってくれているのを
必死で聞きながら
安心して眠ってばかりだった。
「大丈夫だから!」と必死に言ってくれるサル。
うんうんと頷いてはひたすら眠っていた。
何時間経ったのかもわからない。
たまたま週末だったからサルが傍にいてくれていた。
仕事は大丈夫なんだろうか?と心配だったけど
実家の家族も来てくれていたからきっと大丈夫だと思った。
「大丈夫。心配すんな」サルはそればかり言っていた。
何よりサルの存在が安心だった。
そのうち麻酔が切れてきて
びっくりするほどお腹が痛くなった。
どんな風になったんだろう・・・・・。
見るのが怖かった。
子どもを得たわけじゃないのに
病気でもないのに
お腹を切ったんだ。
その日の夜、みんなが帰ってから
布団の中で声をひそめながら
泣いた。
【つづく】
とら
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