前回の後述…
考えてみたら、牡蠣にとったらたまったもんじゃないな。
母なる海の中で、静かに、ただジッとして時の流れと潮の流れを感じているだけ。
なのに、有無を言わさず無理矢理に安住の岩から剥がされたと思ったら、ほとんど皆無といっても過言ではない程の隙間に見たこともない金属製のヘラを突っ込まれ、何の伺いもなしに強引にこじ開けられたと気付いた時には既に遅し!
生まれて初めてのその姿を露わに曝け出し、貝柱という名の絆で硬く繋がる殻からひっ剥がされて、箸で挟まれた不快感を感じる間もなく口に放り込まれる…
そして、後は死を待つのみ。
なんか残酷な気がしてきた。
いや、違う…
そうじゃない!
いつまでも殻に閉じこもってたら何も始まりはしない。
何の変化もない暗闇だ。
そんなところに牡蠣が探している明るい未来があるはずがない。
殻の中で、闇の中で、ただ生きるだけ。
それで面白いはずがない!
殻の中は安全?
馬鹿言っちゃいけねぇ!
安全ってのはな、何か大切な物がある時に使える言葉だ。
てめぇ(牡蠣)の何が危険だ?
何を奪われるってんだ?
命か?
命ってのは輝かせてナンボだろ?
何の変化もない暗闇が奪われたら、後に何が残る?
それが、お前(牡蠣)がずっと探してたモンじゃねぇのか?
それこそが『自由』ってヤツだろ?
閉じ籠ってたら何も変わらねぇ、何も始まらねぇんだ!
いいか、終わりがあるのは始まりがあるからなんだぜ。
気にするな、いつ初めても『遅い』ってことはないんだぜ。
どんな時でも、『今』がそのときなんだ。
だから、俺はお前を引っ張り出す!
フッ、いいってことよ。
一緒に光を見ようぜ!
またヘラを握るサルでした。
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