【
前回からのつづき】
あの時のことはどう表現すればいいんだろう。
長い長い暗闇のトンネルの中
不健康な私たちは光がすぐそこに来ていることに
まったく気づかなかったんだよね。
ただ、ひとつひとつに真剣に向かっていた。
ただ、ひとつひとつを大事にしていた。
ただ、ひとつひとつを楽しもうって思っていた。
どうしてそうしたのかというと
この先に
自分たちにとって苦しいことが待っているって
わかっていたからだったんだよね。
どうしようもない家族の事情で
逃れられない状況になるってことが
決まっていたからなんだよね。
だから、それまでの間
1分でも1秒でも大切にしたくて
楽しく過ごしたくて
愚痴なんて言いたくなくて
不安にもなりたくなくて
いろいろな複雑な思いは
心の中の奥のほうに仕舞い込んで
とにかく笑っていたかったんだ。
その時の それはそれは幸せなこと(笑)
いつだってそうなんだろうけど
人はいつの間にか時間に限りがあることを忘れてしまう。
いつか終わりが来るからこそ
今が大切に思えるのかもしれない。
毎日当たり前に過ごしている時間が愛おしくて
サルと二人楽しんでいることが愛おしくて
ただ、目の前のことを純粋に楽しんでいた。
もちろん、問題はいっぱいあったんだけど(笑)
でも、そんな中 光はやってきてくれた。
というより、ずっと光はそこにあったのに
自分たちが気付かなかっただけなのかもしれない。
まるで、本当の気持ちを初めて認めたような
まるで、初めて自分を知ったような
まるで、長い眠りから覚めたような
そんな経験だった。
って別に何があったわけじゃなかったんだけど
私たちはそれに気付いて
長年追いかけてきた「成功」への夢をやめた。
やめたら今までのことが全部無駄になる。
そう思ってすごく苦しんだけど
もう、やりたくないことをやっている暇がないんだってことに気が付いた。
「成功」がしたいと思っていたこと自体が
そもそも本当の自分の夢だったのかもわからない。
あ~あ。
何だったんだろう。今まで・・・・(笑)
そう二人で苦笑いして
でも二人ともスッキリとしていた。
何だか世界は綺麗で
いろんなことが光り輝いて見えた。
その時、突然ひとつの言葉を思い出した。
以前記事にも書いた
「不思議な友達」から借りた本のフレーズだった。
随分前に本も返したから細かいことは覚えていない。
不思議とサルも丁度同じことを思い出していて
もう一度その本を買った。
【つづく】
とら
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