【
前回のつづき】
新しい年を迎え 私たちはどんどん毎日に不安を持つようになる。
それは何かというと
仕事がない。
・・・ちゃんと就職はしているのに
仕事が休みばかり。
観光関係だから 沖縄の真冬は暇だった。
だから休みが続く。
当然給料だって減ってしまう。
サルの同僚はサルよりも年上が多い。
それでもみんな それが当たり前なのか
不満もなさそうだった。
その状況がサルをますます不安にさせた。
だけど 不安の中、毎日は過ぎていく。
どこかで 何かが ザワザワしていた。
だけど、それを認めることが怖くて
綺麗な沖縄の景色を見て
今を納得させていたのかもしれない。
「ここに来て 良かったんだ」って。
でも、何かを変えないといけないような気がしていた。
心の奥で警笛が鳴っているような気がしていた。
今のままじゃいけない気がして
私は私なりに その時思うことをやってみようと思った。
私たち夫婦には 子供がいなかった。
その頃より遡ること3年ほど前に 流産をしたんだ。
そのことはまたいつか書きたいと思っているんだけど
身体はもちろん 心の傷がいっぱい付いていたから
3年経ってもまだ 怖い思いや不安は消えなかった。
だけど女性にはリミットがある。
もし、今家族が増えたら 何か変わるんじゃないか?
そんな気がした。
友人もみんな ママだったし
「子供がいると大変だけど 楽しい」と言っていた。
「子供のために頑張れる」とも言っていた。
なんだか 私たちの知らない「原動力」がそこにある気がした。
今思えば 何かに夢中になって
その時の不安を忘れたかっただけかもしれない。
だけど 人間というやつは
目の前から逃げるために ついつい正当な理由を作り出す。
その時の私には最善のように思えたし
年齢的にも 今しかないような気がしていた。
それが ますます 自分たちを追い詰めることになるとは
まったく思わずに。
私は病院に通うことにした。
【つづく】
とら
にほんブログ村
PR
COMMENT