【
前回のつづき】
株式投資というと とにかく怖いイメージだった。
株というのがあるのは知っていたけれど
聞いたことがある話と言えば 株で大損をしたとか
株で借金を作ったとか
何だか 恐ろしく 自分には遠い話のように思っていた。
だけど、新しい世界に足を踏み入れたわけだから
とにかく なんでもやってみようと思っていた。
証券会社の資料を請求しながら 本やDVDでの勉強が始まった。
口座を開き 銀行口座を新しく作り 毎日少しずつ準備をしていた。
当時はそんな準備だけでも 何だかすごいことのような気がしていた。
見たこともない難しそうな会社から 郵便が届く。
ただそれだけで 随分エラくなったような そんな気分だったのを覚えている。
チャートだとか ローソク足だとか
見たこともないものを見て
今まで気にすることもなかった経済のニュースなんかを気にしたりした。
準備だけでも 実際にやってみると
思っていたよりも大変で
面倒で わからないことが多い。
だけど、知らないことがたしかに世界にはあって
それを知らないままでいるよりも
知っていくことが嬉しくて
大変なことも楽しく思えた。
今までどれほど頭を使っていなかったんだろう・・・
そう痛感するほど 脳みそをフル回転させていた。
そしてついに 人生初の株式投資が始まった。
忘れもしない あれは 当時テレビを賑わせていた会社の株だった。
大きなニュースのあくる日で
「買いだ!」なんて思って(笑)
慣れない操作に必死になりながら
市場が動く前に買い注文を出した。
「寄り付きって何?」
「成り行き?指値?なんじゃそりゃ?」
「え~い!よくわからんけど買ってみるでぇ~~!!」
・・・とこんな感じで
寄り付きの成り行き(笑)で話題の株を買った・・・・・・・・
・・・・途端
下がり始めた~~~
そのときのことは今も忘れられない。
心臓の音が耳元で聞こえるかと思った。
変な汗が出て 胸が締め付けられるような気持ちで
私は初めて味わった。
本当の恐怖を・・・・(笑)
自分のお金の価値が 今そこで ドンドン下がっている・・・
「やめておけばよかった・・・・」
正直 そう思った。
だけど、リセットもキャンセルもできない
時間を戻すこともできない
もしやめるなら
損を出して売るしかない。
そんな勇気はどこにもなかった。
それに とにかく始まった。
もう後戻りはできない・・・・
その日はずっとチャートと板を見ていた。
「上がれ!上がれ!」と祈りながら(笑)
【つづく】
とら
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