【
前回のつづき】
本を読み終えたばかりの私たちは 毎日がワクワクしていた。
サルは例の『発明』の特許について調べ
書類作成の日々が始まった。
本気で特許出願をすることになったのだった。
「トッキョ?」
「シュツガン?」
「ヨノウ?」
その日から難しい言葉が家の中を飛び交った。
特許書類というのは とにかく言葉が難しい。
商品の名前が決まっているわけじゃないから 言葉でそのモノを表現する。
どんな形状のもので、何を有していて 何にどのように使うか・・・
見たらわかるだろ!!と言いたくなるけれど
よく似た商品があってはいけないし
マネされてもいけない。
何もかも初めてのことで、とにかく時間がかかる・・・
一日がこんなに短かったんだとその時に初めて思った。
難しい言葉に加え 図面というのも書かないといけない。
絵を書く~~~?
いったいどうやって???
毎日毎日 書類と戦う日々。
できれば『弁理士』というものに頼みたかったけれど
貧乏な私たちには 自分でやるしか選択肢がなかった。
「特許出願の方法」みたいな本を買って
それを見ながら 発明協会に質問をしながら
一歩一歩・・・・・
今思えば よくあんなことをしたなと思う。
それほど、夢と希望に溢れていたんだな。
そして、無知だったんだと思う。
だけど 無知だったおかげで あんな経験もできた。
人生に一度は特許出願というのをやってみるのもいい(笑)
何かを作り上げる喜び
必死になるということ
なんだか日常にはいつのまにかなかったことだったから・・・。
とにかく楽しかった。
そして 記念すべき 出願の日がやってきた。
【つづく】
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