【
前回からのつづき】
貧乏という感覚は本当に苦しい。
何かを買い換えなきゃいけないときに「ギュ~~」っと胸が苦しくなる。
誰かとお茶をするときに 一番安いメニューを見てもブルーになる。
お茶なんてしてる余裕もないのに、仕事の付き合いで仕方がなかった。
本当にこんなことで生きていけるのだろうか?
私もサルも世間ではしっかりとしていなきゃいけない世代だ。
自尊心というものがどんどん消えていく気がした。
だけど とりあえず誤魔化す様に毎日が進んでいた。
小さな希望を見つけては それにすがっていた。
だけど 本当の気持ちは誤魔化しきれない・・・
サルも私も確実にピリピリしていた。
仕事をしても 即収入に繋がらない。
だけど 仕事をしなきゃいけない。
いつの間にかそんな生活になっていた。
仕事関係で人との交流は増えるけれど
収入には繋がらなかった。
この時期を乗り越えさえすれば・・・!!
・・・と言い聞かすけれど
その策は??というと自信がなかった。
本当は惨めだった。
誰に会っても惨めだった。
ちっぽけな自分たちが 必死に仕事をしても
きっと何もできやしない・・・
どんなに繕っても 張りぼての自分じゃ 仕事なんてうまくいかない。
頑張るだけじゃ 進まないのかもしれない。
何かが違う・・・・
何かはわからないけれど
今自分たちがやっていることは 違っている気がした。
普通の会社員が羨ましかった。
会社員を辞めたはずなのに
仕事量に対して報酬がもらえるということの有難みが身に染みた。
スタバでコーヒーを飲んでいる人が
デパートでショ袋を持っている人が
ランチを楽しんでいる人が
町中の人が
お金持ちに見えた。
自分たちだけ 世間から置き去りにされているような
落ちこぼれ気分だった。
・・いや、落ちこぼれだった。
そして、どちらからともなく言った。
「もう一度 会社員になろう」
【つづく】
とら
↓いつも応援感謝してます。
にほんブログ村
PR
COMMENT